それはある日突然

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そんな私の気持ちとは裏腹に、お父さんの再婚相手に会う日はどんどん近付いていった。 私は毎日暗い表情のまま、学校に通っていた。 今日も自分の席に座って下を俯いて、何も乗っていない机を見つめていた。 「ねぇ?水島の髪って何もいじってないの?」 突然、後ろの席に座る[桐谷 龍弥(キリタニ リュウヤ)]くんが私の髪を触った。 『きゃっ!』 私は驚いて、顔を上げた。 「あ、悪い。驚かせたよな。」 パッと桐谷くんは、私の髪から手を離した。 「綺麗な髪なのに、切り方が雑だなぁって思ってさ。 どこで切ってるのかなって思ったんだ。」 『あ……自分で…。』 また私は下を俯いて、そう答えた。 「自分でっ!?あ~…だから、雑になっちゃってるんだ…。 でも何で自分で切ってるの?」
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