大事な宝物

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「まだ朝まで時間がある。もう少し寝よう」 そう言われてベッドに引きずり込まれてしまった。 司さんに腕枕され身体を引き寄せられると心臓が再び忙しなく動きだした。 “クスッ”と頭上から笑われ顔を上げると司さんが微笑んでいた。 「いい加減緊張しないでもらいたい」 その言葉に恥ずかしくなり、司さんの胸に顔を押し付けた。 「…そのうち…慣れます」 そう言ってまた笑われた。 ギュッと抱き込まれると、司さんの心音と暖かさがなんだか心地よくなってくる。 少しずつ慣れた証拠…と思いたい。 「…携帯なんか出して何処に掛けるつもりだったんだ?」 椅子に残されたままの携帯を見て司さんが怪訝そうに聞いてきた。 それに笑って『内緒です』と返すと不貞腐れた顔が目に入った。 苦笑を洩らしてヒントを与えて上げる。 「今日…私に一日付き合ってもらいます」 「…何処でもお供しますよ、お姫様」 それにニッコリ笑って私から軽いキスを唇に送る。 ビックリした顔を司さんはしていたが、直ぐに笑顔になって『もう一回』とねだってきた。 「今日一日、私のお供をちゃんとこなしたらご褒美をあげます」 司さんはやっぱり不服そうにしていたけど『ではそれを愉しみにしよう』と言って私に熱いキスをした。 .
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