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「俺と結婚してくれませんか?」
司さんに初めてお願い事を言われた。
そのお願い事は人生初めてのプロポーズだった。
司さんはただ真っすぐに私を見ている。
私はゆっくり、司さんの顔を両手で挟む。
「…私の事……好き?」
「…………………愛してる。」
真剣に、私を愛しそうに見つめながら言ってくれた。
少しずつ身体から力が抜ける。
夢心地とはこの事だろうか?
そのまま司さんの胸に倒れこみながら呟く。
「…もう一回…言って?」
司さんは私を抱き締めながら笑う。
「もう言わない。」
「もう一回。」
「………俺と本当に結婚してくれるなら言ってもいい。」
私はちょっと考えて、答える。
「じゃ、私も言わない。」
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