翻弄される男

2/2
前へ
/176ページ
次へ
「まだ…買うのか?」 俺の一言に彼女はシュンとうなだれた。 「…だって…どれも可愛いいんですもん」 “ですもん”って…可愛い過ぎるなと思いながら慌てて繕う。 「いや!いいんだ!好きなものを好きなだけ買ったらいい」 そう言うと彼女は目をキラキラさせて『本当に!?』と言うので笑顔で頷いた。 俺はつくづく瑠璃の笑顔に弱いと思った…。 そんな自分に苦笑する。 何せ両手には既に10袋以上のショッピングバックが…。 しかもどれもこれも日曜雑貨ばかり。 どうせなら自分の服やらバックやら宝石やらを買ったらいいのに…。 でもやはりそれが、瑠璃という人間なのかもしれない。 「司さん!このカップお揃いで買いましょう」 「お揃いで?………買おう!」 「わぁ~見て司さん!このパジャマ可愛い。司さんとお揃いで着たいな~」 「お揃いの……よし!レジは何処だ?」 数時間後…… 「少し…少しだけ…休憩しよう」 「む~~!……これじゃ、ご褒美は無しかな?」 「よし!次の店に直ぐ行こう!」 .
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5136人が本棚に入れています
本棚に追加