腹黒王子様!

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『おい。累(あいつ)は?』 『逃がしました』 『何やってんのぉお!?』 満面の笑みで言う沖田に土方の鋭いツッコミが入る。 『土方さん直々に行って貰おうと思ったんで』 『いやいやいや。何それ!?めちゃくちゃ中途半端じゃん!!』 『うるさいなぁ…』 『誰のせいだと思ってんだよ!!』 あまりの騒がしさに沖田は耳を塞ぐ。 『いいから行けよ。死ねば?』 『いやいやいやいやいやいや!!!! 最後の言葉はなに!?俺死ぬの!? つか敬語使えよ!!』 あまりの騒がしさに沖田は溜息を吐く。 『………土方さんが早く行かないから、あの人 頓所内を一周して来ちゃったじゃないですか』 部屋の出入口である襖を指差す沖田。 土方は無意識にそちらを向いた。 そこには…。 「げッ!!!!」 荒い呼吸に肩を上下し、「この世の終わり」というような表情をした累が立っていた。  
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