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あたしは、それからすぐにパソコンの電源を落として神谷さんの部屋に行った。
部屋に上がると神谷さんは
「まだ、越してきたばっかだからダンボールとかで狭いけど…ゆっくりしてて?」
そう言ってあたしの頭を軽く撫でてからキッチンへと向かった。あたしは突っ立ってるのもアレなので大人しくソファーへと腰を下ろす。すると、にゃあ、とか細い鳴き声が聞こえてきて、足元に何かふわふわとした柔らかな毛が当たった。顔を鳴き声の先に向けるとロシアンブルーの猫がいた。
「わ…にゃんこがいるーっ」
うちのマンションはペット可、となっているので、猫がいても可笑しくは無い。
「そいつ、にゃんこ先生って言うんだよ。」
ソファーに腰掛けたまま、猫を抱き上げて撫でていると神谷さんがマグカップを2つ持って戻ってきた。
「へぇ~…よろしくね、にゃんこ先生!」
ふわふわとしているにゃんこ先生をやんわり抱き締めると、懐いてくれたのか頬擦りされた。
「珍しいな、にゃんこ先生が他人に懐くなんて。」
神谷さんは普通に隣へ腰掛けてきた。手に持っていたマグカップをあたしと神谷さんの前に置き、神谷さんはあたしが抱いたままのにゃんこ先生の喉元を軽く撫でた。
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