君への手紙

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まだ夢を追いかけていた子供の頃 2人の約束は 今も尽きること無く 胸の奥に揺らめいている 時々声に出してみて その感覚を思い出す そこにあるのを確かめるように そんなおまじないみたいなことも 記憶の中に埋もれてしまった どんなに手を伸ばしても 届かないほど深い 暗い沈黙の場所に ずっとそう思っていた あの事を知らされる前は 大切な人だったはずの彼が 突然あの夜へ旅立ってしまった 悲しみに暮れる私が思い出したのは 2人で一緒に埋めた タイムカプセルだった 居ても立ってもいられなくなって いつしか走り出していた あの桜の木の下で ただひたすら掘っていた 服に土が付いても気にせず ただひたすら掘っていた 大切な何かを思い出す為に
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