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服装もまた、ウェディングドレスほど大層なものではないが、どこぞのお姫様のような、白いドレスを召していた。
この時点で彼女が泥棒の類いでないことは、火を見るよりも明らかだった。
顔立ちも、俺が18年間見てきた中でもトップクラスに入る可愛さだ。
うっすら白い肌、ツルツルでゆで卵のようだ。男の俺でも羨ましく思う。
そして大きくて、まん丸な瞳。美しいというよりかは、可愛いという形容がピッタリとくる。
しかし、どうにもこのピンクピンクしたロングヘアーが気に入らない。目が痛くなってきた。
もしかしたら、彼女はコスプレイヤーなのかもしれない。
下から上まで眺めていき、彼女と目が合った。涙が零れそうなほどに、その瞳は潤んでいた。
そして、ようやく俺に向かって口を開く。
「いきなり何するんですか! この石頭っ!!」
俺の家に突如現れたお前の方がよっぽど“いきなり”じゃないか。と言ってやりたい。
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