Episode01-手のひらから彼女-

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やたらボールを勧めてくる巧をよそに、買い物を続ける。 小さなバスケットゴールを備えた、洒落たゴミ箱。投げ入れるのが楽しみだ。 暗黒面に落ちそうな程に真っ黒な綿棒。汚れがよく見えるそうで、早く耳に入れてみたい。 書きながらも、クルクルと先が回転し、自動で芯が出るシャープペンシル。早く講義を受けてみたい。 「あのさ、買ってるものを見る限りだと、絶対この時計も気に入ると思うんだけど」 「生憎、ボール遊びをするような暇はないから」 「と・け・い! だから!」 時計と言えば、枕も買わなければ。朝の目覚めにも関わることだ。慎重に選ぼう。
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