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枕の売り場へと足を運ぶと、一から百まで、様々な枕が並んでいた。枕専門店として独立しても良いくらいだ。
「おい璃生! アザラシのタマちゃん枕なんてあるぞ!」
「そうか、どこに行ったと思ったら枕として住民登録をしてたのか」
タグを見ると、商品名にはゴマちゃんと書かれていた。
タマちゃんの哀愁漂う瞳が目に浮かび、悲しくなった。
「おっ、等身大の美少女の抱き枕まであるぞ!」
ゴマちゃんを俺に押し付けて、巧はアニメのキャラがデカデカとプリントされた抱き枕を持ってきた。ピンク髪のロングヘアーがチカチカする。
相変わらず、恥じらいというものを知らないのだろうか。
「さっさと返してこい! こっちまで恥ずかしい!」
「もう18になったことだし、彼女の一人ぐらいな! あっ、この2年の間に出来たか!?」
「……」
「そうか出来てないか。じゃあこの抱き枕を……」
「買わないから! 大体、ロングヘアーは好きじゃない」
「じゃあショートヘアーのもあるけど」
「早く返してこい」
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