第一章 出会い

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「……結構です。自分で立てます」  言うとすぐに、ユライシアは立つ。  全身の鈍い痛みがひどくなったが、それは表には出さなかった。  この姫君は随分強い意志を持っているようだ。  シュレイズは内心感嘆するが、言葉にはしなかった。  言葉にしてしまえば、痛みに耐えるユライシアの努力を無にしてしまうから。  王族であるならば、虚勢が張れなくては。  ユライシアはその点では、王族らしいと言えた。
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