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「離せ、化物がっ!!俺から離れろっっ!!」 ベッドに横たえていた体をいきなり起こしたかと思いきや、クロウはそう叫んだ。 全身から魔力が滲む、今にも爆発寸前な魔力が空気すら数度温度を上げていた。 隣に気配を感じ、クロウは横をにらみつけ、感情のままに魔力を凝縮、剣の形にして刃を振り薙ぐ。 「このっっ!!」 「っっ!?」 隣にいたのは紅髪の少女だった、びくっ、と体を震わせた後、その刃を避けられずに目を強く閉じてしまう。 「あ……!?」 クロウの魔力が四散した、荒れ狂う様な魔力が静かに治まっていく……クロウはそこで初めて、自分を取り戻した。 「あ……アリス…。」 幸い、刃はアリスを薙ぎ払う事はなかった。 だが、座った椅子がガタガタ震える程に、アリスは身を震わせ、小さくなってしまっていた。
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