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……アリスがサキュバスの血を引いている事がわかったのも、つい最近だ。 このあいだ、とある世界で魔物と戦った時、アリスは〝歌魔法〟をつむいだのだ。 その威力は、想像以上……熟練した魔王でもあそこまでの魔術は放てなかっただろう。 「なにせ空間を焼き尽した、無を作りだすほどの業火だったのだからな。」 その世界は間も無く修復された……が、どんな変化があったかは知らない。 必要な事実は、確かにアリスは歌魔法を使い、そして、自ら使用する事が出来る様になった……と言う事だ。 「……歌魔法、俺には教えてやれない知識だな。」 つぶやいたその時、不意に部屋に気配を感じ、クロウはそちらを向いた。 「……久しぶり、じゃないかしらね?アヤネ。」 女の声が部屋に響いた。
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