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流れる様な長髪、黒は漆黒の闇を削り取った様にしなやかだった。
赤いワンピースドレス、これは血のそれより赤黒く、より真空に近かった。
「……カルマか。」
「あら、今回は優男モードは無しなのかしら?その方が私はいいけど。」
「アリスならいない。」
「なっ……。」
突然図星をつかれた様に、彼女……ガンスティールの称号を持つ魔王、カルマは顔を歪める。
「あの……なんであの娘が?」
「ふん……おおかた、奴の歌を聞きに来たんだろうが……残念だったな。」
「べっ、べべっ、別にっ!?」
あからさまな図星をものともせず、クロウは外を見た。
……何もない、田舎町に過ぎない……アリスは、今頃何をしているだろう。
「アヤネ、あんた……神界の神々の事、何か知ってる?」
「神界の神共、だと?」
突然訳のわからない事を聞かれ、クロウは首を傾げた。
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