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・その日から伊音は、父親からもらった蜃気楼についての本を読み始めた。 拓也「伊音、なに真剣に読んでるんだ?」 伊音「蜃気楼についての本。」 拓也「蜃気楼?砂漠とかで、あのぼやーって見えるやつ?なんで?」 伊音「父さんに薦められた。」 拓也「科学者のお父さんに?とうとう、理系に興味持てって?(笑)」 伊音「んー……昨日、家で幽体離脱についての本を探してたんだ。」 拓也「幽体離脱についての本?」 伊音「ほら、俺の家、科学関係の本だけはやたらあるから、なんか幽体離脱についての本とかないかなって探してたら、父さんがこれを読めって。」 拓也「で、それが蜃気楼についての本。」 伊音「そう。でもどういう意味なんだろう?幽体離脱と蜃気楼になにが関係があるんだろう?」 拓也「幽体離脱と蜃気楼か……。関係なさそうじゃ?」 伊音「うーん……。」
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