第二章 出会い

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ウォーリーは、流れるような動作で小太りに向き直り、両手を広げた。 「どうしました?私を撃たないのですか?それとも、撃つ度胸がない?」 「舐めやがって……お前を殺す位、訳ないぞ」 小太りは、ウォーリーを見据えて胸に狙いをつける。 例え外しても、胴体ならば一部でも傷を負わせれるからだ。 だが、ウォーリーの両目は、小太りの指に集中していた。 「死ね!」 叫びと共に、放たれた銃弾は、ウォーリーに傷を作る事はなかった。 僅かに体の位置がズレている。その要素を考慮し、小太りが導きだした答えは 「化物……」 だった。視認できない速度の弾丸を放たれたにも関わらず、傷がない。 つまりは、かわされていた。遥かに人間の反射神経を凌駕している。 次の瞬間には、小太りの腹に三発、眉間に一発が侵入し臓器を破壊した。 力なく倒れる寸前に、見た光景は、小太りを睨みつけたウォーリーだった。 残された僅かな時間、ウォーリーに死神を感じとった。 「終わりましたよ。お嬢様」 「そう……早く乗りなさい。次に行くわよ」 「承知致しました」 演技かかった動作で、胸に手を当て一礼すると、車に乗り込みアクセルを踏み込んだ。
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