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一方、ジークは一通り城壁を回り侵入口を探していた。
賞金首となっている限りは入国審査官が手配書を所持している場合があるため、不法入国しか手はないのだ。
正門から半周し、裏門に狙いを付けたジークは、二輪車を停めて見上げる。
高さは、地上六メートル程だろう。
壁から少し離れ、一気に駆け出すと、ジークは驚異的な跳躍力で城壁の頂へと着地する。
当然ながら、裏門に配置されていた入国審査官は気づかずに、手持ち無沙汰に警棒を叩きながら談笑を交わしている。
ふっ、と笑みを洩らしたジークは、そのまま街を眺める。
高いビルや人が視認できるので、栄えている事が容易に理解できた。
街の西が歓楽街、東が居住区、南に簡単な公園に、北は入国審査の為に設置された固く閉ざされた城門があった。
それらを数秒で確認し、ジークは歓楽街の一際背の高いビルに飛び移った。
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