157人が本棚に入れています
本棚に追加
リンス達は、車をそのままにして入国していた。
まず、三人は歓楽街に向かい車の修理を依頼し、その後は部屋を取った。
空調設備、間取りなどは申し分なく、リンスも頷き、数日を滞在する部屋を確保できた。三つあるベッドにそれぞれの荷物を置き
「さあ、探しに行くわよ!」
揚々と自分を表現するように腰に手を当てる。
「お待ち下さい、まだフィリーズの地図がありません。無闇に動くのはどうかと思いますが……」
「そうだぜ?体力と金の無駄使いになる位なら、地図を貰ってからでも遅くないぜ?」
リンスはしばし逡巡するが、二人に返答が出来ずに了承した。
車の修理も、タイヤ以外の箇所もガタがきていたので、数日はかかると見込んで良いだろうと結論付けた。
「ルイス、地図を貰ってきなさい」
「……なんで俺?この後、洗濯しないといけないんだけど?」
半身になり、リンスは腕を組んだ。
横目でルイスを睨みつける。
「か弱い私や、年老いたウォーリーを行かせるつもり?」
「すいません、なにせ体のガタが車のように直せないので」
口元に浮かべた笑みで、嘘だと判別はできたのだが、リンスの文句とウォーリーの目線が発言を許さなかった。部屋を出て、一階のフロントに地図と人数分の飲み物を注文した。
最初のコメントを投稿しよう!