第二章 出会い

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「どこまで着いてくる気だよ……」 呆れ気味のジークに対し、ルイスは、激しく息を切らせていた。 出てくる言葉は弱音ばかりで、もう駄目だ、と立ち止まる。 終始見上げていた首は筋肉が固まったかのように、激しく痛んでいた。 ほんの少しの休憩を挟み、再びジークを追う為に見上げたが、既にどこかへと行方を眩ませていた。 「……くそ」 短い悪態をつき、ルイスは帰ろうと踵を返したが 「ここ、どこだ?」 無我夢中に追走していたので方向感がなくなっていた。 地図を出そうにも、ボーイに預けていた事を思い出して断念する。 「ちくしょう!」 **** **** 「振り切ったか」 影が見えなくなってからも、逃走を続けたジークは、街を半周して居住区に入っていた。 舗装された地面に足を下ろす。 居住区の外れに位置する場所のようで、辺りに人影がなく安心して座り込んだ。 「一体、誰だったんだ?俺に着いて来れるなんて、人間には無理なはずなんだがな……」 思考を回し、ルイスの正体を考えていたが、結局はわからなかった。 立ち上がり、もう一度だけ周囲を確認し、出来るだけ人混みに紛れた方が見つかりにくいだろうと思案する。 表道りに行になるが、構ってはいられなかった。 そして、通りに出た瞬間に、髪を束ねた少女とぶつかった。 「もう、気をつけなさいよ!」 「ああ、悪いな。大丈夫か?」 少女に右手を差し出し、握り返すのを待ってからジークは、ひょい、と呆気なく立たせた。 「次はないからね!分かって……」 少女は、ジークの顔を覗き込むように膝を曲げて数秒後、叫んだ。 「デルフォール・ジーク!」
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