第二章 出会い

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じりっ、とウォーリーが間合いを詰めた瞬間、ジークが目の前に現れた。そして、ウォーリーの生命を刈り取るための白刃が煌く。寸前で後ろに回避したが、右腕から一筋の血が流れる。 「なかなか速いですね。少し驚きましたよ」 「止めるか?今なら許してやるよ」 「冗談は止めて下さい。まだ体も温まっていませんよ」 「そうか……」 剣を構えなおしたジークの顔を銃弾が掠った。 「ほら、油断してたら死にますよ」 「てめえ……」 再び銃声が響いた。飛来する銃弾を剣で弾き返す。予想外の出来事にも即応したウォーリーは、卓越した腕で、弾かれた銃弾を撃ち落とす。続けざまにジークに狙いをつけて撃った。 「凄いな……今のはいつ撃ったのかわからなかった」 すぐ隣から聞こえたジークの姿を確認せずに、凶刃をしゃがんで避けながら、マガジンを交換する。攻撃を加えながら、軽やかな動きで翻弄しながら追い詰めていき、焦燥を高めていく。気づけば、剣は握ったままだが、ジークは体の四カ所に銃痕が見えた。 「……続けますか?今なら止めますよ」 「……誰が……」 片膝をついた状態のジークを見下ろす形で、ウォーリーが銃口を向けてながら言った。不敵そうに笑みを浮かべて 「残念です。しかし、リンスお嬢様の希望故、お許し下さい」 ウォーリーは、ジークの後頭部を殴りつけた。重い衝撃が全身を駆け抜けると同時に、視界が白い靄に覆われた。倒れるジークの体を支え、肩に担ぐように持ち上げる。そして、下にいるリンスへと片手を振り 「終わりましたよ!」 「ご苦労様!降りてきて!」 了承の意志を送り、飛び降りようとした所で、ジークから異変を感じとる。 「……これは」 体が小刻みに揺れ、ジークが剣を握り直した瞬間、まるで捨てるかのように放り投げたが、気絶していた筈のジークは、軽く着地してみせた。
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