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加えて、ジークの武器は剣だけという最悪の状況てある。
不意に頭を上げると、不気味な気配を察知し、前転の要領で飛び退いた。
案の定、ジークの後頭部に位置した柱は粉々に破壊され、砂煙からはオールバック気味の髪型とサングラスを掛けた男が現れた。
「噂以上の正確さだな……『ケルベロス』」
すぐに体勢を立て直そうとしたが、止めと言わんばかりの踵落としが降ってきた。
すぐにジークは、両腕で勢いを殺し、片足を払った。
情けない格好で転んだサングラスは、立ち上がろうとしたが、既にジークは手の届かない位置まで逃げきっていた。
玉座の後ろの僅かなスペースに体を収める。『ケルベロス』の三人は、その瞬間に、舌打ちをし、銃を下ろした。
「貴様……」
「どうしたよ?さすがに、玉座は撃てねえか!」
機転を利かした。壊せる物の背後は、関係なく破壊できるが、それが重要視される程に攻撃の手は鈍る。
苦虫を噛んだような表情でスキンヘッドは、双眸を細めた。
だが、それはジークも同じで、完璧に動きを封じ込められた事を意味する。
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