30人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
新宿駅は、丁度忘年会シーズンと言う事もあって、うじゃうじゃと人が居た。
この人ごみに紛れれば大丈夫か?
そう思ったが、其れが甘かった。
当然、待ち合わせがくれば人は居なくなるわけで、ヤクザが居なくなるまで紛れていられないからだ。
ヤバイ・・・。
駅の入り口は固められているし、目つきの悪い連中がうろうろしている。
オレは顔を隠して居るから直ぐには見つからないだろうが、ずっと居れば相手も馬鹿じゃない(と思う)見つかる危険が高くなる。
その時、変な集団が集まりつつあった。
如何にも、社会人とは異質な雰囲気の、何と言うか暗い空気の流れる集団だ。
ぼそぼそと挨拶しているが、初対面のようにぎこちない。
これはもしかして・・・オフ会というやつか?
裏道を進みかけのオレでもネットぐらいはやる。
これに紛れて逃げよう。
そう判断した俺はおどおどとした演技をしながら(ヤクザにつかまる事を考えると自然にそうなった)その集団に入る。
最初のコメントを投稿しよう!