第二章

5/8
前へ
/13ページ
次へ
「同士…?」 「おま…急に言われてもなんのこっちゃわからんやろ、少しはもの考えて喋れや」 「あー、そういうこと福ちゃんには言われたないわー」 福ちゃんと呼ばれている男がずいっと前に出てくる。 「話は予々聞いとるよ」 「…僕の…ですか??」 「おん」 俺の噂? 思い付くのは悪口悪口悪口… 非国民、裏切者、弱虫などなど 上げていけば切りがない程、酷く冷たい言葉が浮かぶ。 「いや、そんないやな顔すんな。そりゃええ噂ちゃう… でも俺等はそんな仲間が欲しかったんや」 「非国民の? 戦争に参加する貴方がいうてええんで…」 「藤原」 俺がそこまでいうと隣で黙っていた井本が続きを遮り笑顔でこういった。 「ほんまにこいつらは味方やで」 「……?」 俺は混乱した頭をゆっくり整理しながら三人の話を聞いた。  
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

234人が本棚に入れています
本棚に追加