第二章

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─────…… 「…なーる、簡単に言うと非国民同盟ってとこですか」 「せやな、まぁ言葉は悪いけど」 「でも同盟組んだところでなんになるんですか?」 「フッジーの言う通りや」 急に言われたこともないあだ名で呼ばれたので表情にはださなかったが吃驚した。 「でもな、不安やん。 こんな考え俺だけちゃうか 戦争はほんまは良いことなんかな? とか、あかん方向にばっか考えてしまうやろ? そんな奴等を見っけて、はげましてやりたいねん」 「それに俺等は普通のやつらより多く食料が配布されてるやろ? それも可笑しい話や だから俺達はその多く支給された分を子供達にあげてるんや これは無駄なことちゃう 成長期の子供に一番大事なのは飯や、このくだらん戦争が終ったあと日本を立て直すのは子供達やからな」 二人がそういって俺をみるものだから。 俺は真っ直ぐで真剣な目に惹かれてしまった。 まさか俺以外に【負け】を前提に考えている奴がいたなんて… 「それでも嫌、いうなら無理にはいらんでも…」 「は い る よ な?藤原」 福田の気の使った言葉を遮り、まるで人を殺しかねない声で俺を脅す。 「入らせていただきます」 「よし」 「フッジー…よわ」 まぁ断る理由もなかったし、なんとなく偽善的な志にも興味をもってしまった。  
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