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「明日苑田さん来るらしいよ。」
成澤の発言に仁科は顔をしかめた。
逆に成澤の顔はニヤついている。
「俺、あの人苦手何だよな…。ってかそれ誰情報?」
「今日秋鹿が言ってた。」
「秋鹿?」
「ふぁい!!」
突然隅の方で大きな返事と共に椅子やらなんやらが倒れる轟音が鳴り響いた。
「………あ、秋鹿?」
ガラガラという音を立てながら起き上がってくる女性がいた。
秋鹿早紀はまだ自分が置かれている状況を理解出来ないままぼーっとしていた。
「……………おはようございます…。」
しばらくの沈黙の後仁科は口を開いた。
「秋鹿、何でまだいるんだ?」
秋鹿はまだぼーっとしていた。
「……へ?」
「帰ってなかったのか?」
成澤はデスクの上にあるパソコンのキーボードの上に手を置きっぱなしにしてあったため、モニタ上が『aaaaaaaaaaaaaaaa』とaでまみれていた。
秋鹿はだんだん自分の置かれている状況を理解し始めていた。
「……あっーー!今何時ですか!?」
「7時半くらい。」
成澤は冷静になってきた。
「え、何でお前いるの?」
仁科はまだ訳が分からないでいた。
成澤は取り敢えず状況を確認してみる事にした。
「ずっと寝てたのか?」
「みたいです。」
「これからどうすんの?」
「先輩達は残業ですか?終わったらご飯でも食べに行きます?」
「ああ、でも当分終わりそうに無いから帰ってもいいぞ。」
「ちょ、ちょ、何?どういう事?」
仁科だけ置いてきぼりになってしまった。
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