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父は俺が幼い頃に亡くなってしまったが。何が原因で亡くなったかは俺にはわからない。母が話したがらなかったからだ。
校門を潜り、入学式がある為体育館に向かう。
中に入ると間も無く式が始まった。校長の長い挨拶が終わり、鈍くさとプログラムが進んでいき、次は新入生代表の挨拶があるらしい。
なんでも入試でトップだった奴が代表で挨拶をするらしい。
‥待てよ。そういえば
司会進行役の女の子が一人の新入生の名前を呼び上げる。
司会『新入生代表、
タカノ サク
高野 朔君。舞台へどうぞ。』
そうだった‥俺だ。すっかり忘れてた。この高校のハードルが
然程高くなかったのもあるが、男なら文武両道だと‥。
それなりに勉強もしてたが、まさか入試でトップだとは‥バカ高め。
更に言えば、成績さえ良かったらこんな髪型をしてても、先生方は何も言わなかったから。常にテストでは10位以内に入っていた。
‥にしても
‥無論、挨拶の言葉など考えてはいない。アドリブで行くしかないか‥
席から立ち上がり、スタスタと舞台へ向かう。この重々しい空気の中だ、下手にふざける訳にもいかない。
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