日常

6/8

12人が本棚に入れています
本棚に追加
/192ページ
父は俺が幼い頃に亡くなってしまったが。何が原因で亡くなったかは俺にはわからない。母が話したがらなかったからだ。 校門を潜り、入学式がある為体育館に向かう。 中に入ると間も無く式が始まった。校長の長い挨拶が終わり、鈍くさとプログラムが進んでいき、次は新入生代表の挨拶があるらしい。 なんでも入試でトップだった奴が代表で挨拶をするらしい。 ‥待てよ。そういえば 司会進行役の女の子が一人の新入生の名前を呼び上げる。 司会『新入生代表、 タカノ サク 高野 朔君。舞台へどうぞ。』 そうだった‥俺だ。すっかり忘れてた。この高校のハードルが 然程高くなかったのもあるが、男なら文武両道だと‥。 それなりに勉強もしてたが、まさか入試でトップだとは‥バカ高め。 更に言えば、成績さえ良かったらこんな髪型をしてても、先生方は何も言わなかったから。常にテストでは10位以内に入っていた。 ‥にしても ‥無論、挨拶の言葉など考えてはいない。アドリブで行くしかないか‥ 席から立ち上がり、スタスタと舞台へ向かう。この重々しい空気の中だ、下手にふざける訳にもいかない。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加