prologue

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空の色が燃えるように赤い。   吹く風の強さに、髪が乱される。   視界の隅に強い光を感じて目を細めてしまう。   ここはどこだろう。 私は何をしてるんだろう。   ふと、我に返る。   足下に聞こえる人々のざわめきと、サイレンの音。 そしてそれに混ざって聞こえる悲鳴のような、誰かを呼ぶ声。   それらが聞こえる方を見ようと足下に目をやると、豆粒ほどに見える人々が何かを取り囲むように大きな輪を描いている。 そしてその中心には、人が一人横たわっている。   大きな人の輪の中にぽつんと横たわる人。   更によくみると、その横たわる人の影がどんどん大きくなるように広がり、その影の広がりに合わせ、人々の悲鳴が大きくなる。   あれは…なに?  
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