氷恋~優しい氷~

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「ああ。」 何だか分からないけど、日番谷隊長は安心したように微笑んだ。 「はい、終わりました。帰りますか。」 「そうだな。」 またもや、身軽な日番谷隊長を羨ましく思いながら、私も後を追った。 「じゃあ。」 短い声がして、次の瞬間には日番谷隊長はもう居なかった。 あっ!謝るの忘れちゃった…。 明日にしよう。日番谷隊長、酷い怪我だったし。 そう思いながら、ほんの少しだけ、一角さんと、隊長たちに感謝した。 こんな非番の潰し方なら、いつだって潰しても良い。 「失礼します。」 十番隊の執務室。戸を開けると、乱菊さんと日番谷隊長。 「あらぁ、彩月。噂をすればなんとやら。ねぇ、隊長?」 「うるさい。松本。」 「はいはーい。お邪魔虫は退散しますよ。」 私にウィンクをひとつして、乱菊さんは執務室を出ていってしまった。 まるで昨日と同じシチュエーションに、 「あの…また出動するんですか?」 つい、私は訊いてしまった。
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