保険の営業というもの

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テレビを前にした50名ほどの若い男女たち。これから流されるビデオは保険について。   「さあ皆さんは、これから保険を販売していきます」   音声は室内に響いていく。 ビデオの中のシチュエーション。保険会社のインストラクターが新入社員に向けて言ったのだ。   「あのー、見えませーん。保険という商品はどこですか?」   大きな声の新入社員がインストラクターに辺りを見渡し訊ねた。研修用のビデオだけあってその演技くささがあった。   「はい。保険は目には見えません」   「目に見えない商品を売るのですか?」   「そうです。しかも、保険というものは万一が起こらないと効果は発揮されないので、保険の営業はとても大変なんです」   車でも食品でも、商品とは常に目に見えるものの世界において、目には見えない商品をお客様に提供する。さらにその重要性をわかってもらわなくては購入してもらえない。  
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