じいさんのいたずら

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今年は去年死んだ爺さんの初盆だった。 孫の中でも一番の年上の俺は、今回のお盆でも色々手紙のようなものを読まされたり、お寺に灯篭を取りに行って流したりと中々忙しく、長い長い坂を上った先にある墓場に行って掃除をしてきたときなんかはそのまま家に帰ってきてしばらく動けないほど疲れてしまうのだった。 16日、お盆最後の日も前日と変わりのない熱さ。 田舎なのでセミの鳴き声が家の中から聞こえてきたりした。 俺はその猛暑の中、最後の墓参りを済ませ汗だくで帰ってくると、仏壇があるお上に上がり縁側の戸を全部開け放って倒れるように寝た。 疲れていた俺は、爺さんの仏壇に脚を向けて寝てしまって居たのだが、そんな事には気付きもしないで大の字に体を投げ出して寝ていた。 死んだ爺さんは昔からじじいとは思えないくらい子供っぽくて、よく俺にいたずらを仕掛けてきて喧嘩になった。 昼寝をしている俺の額に氷をおいてみたり、ランドセルの中に大根なんか入れたりして怒る俺をからかっていた。
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