要塞

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その日の学校は4時間の日で、クラブも朝のみの日だったから、学校を出たのが12時ぐらいだった。 また、あの石の壁の家の前を通る・・・。 と、まだトラックが突っ込んだままだった。 えー、まだ片付けてないのかよー、などと思いながら近づいていくと、運転手が、トラックが開けた穴の向こうに向かって土下座してる。 何だろうと気になって、また歩くスピードを緩めて壁の奥を見たんだ。 ・・・あれだけ居たはずの者達はただの一人もいなくなっていた。 代わりに、とてつもない大きさの人間? (上手く表現できない、申し訳ない) が一人だけ居た。 身長は、4メートルはあったと思う・・・ びっくりして、というよりかは呆気にとられて足がとまってしまった。 トラックの運転手はひたすら土下座してる。 そいつは、カクカクした妙な動き(朝に見たあの人間達の動き)をしながら、巨大な家の柱に半身を隠して、もう半身だけで運転手を睨んでいた。 目がやけに大きくて、ぎょろりとしていた。 訳がわからないまま、俺は何となく、一瞬だけ運転手の方に目をそらしたんだ。 そして、もう一度前を向いた時、その巨大な人間が、運転手じゃなく俺の方を睨んでいる事に気付いた。 柱をガリガリとかじりながら・・・ 途端、これ以上は見てはいけないと、慌ててその場から逃げたんだ。 その後、一日休みを挟んで、次の登校の時にはもう完全に石の壁は修理されていた。 俺がいくら考えた所で、あれが何だったのかは解らない。 もう、大分遠くに引っ越してしまったしね。 でも、一連の出来事が不可解すぎた故に、今でも鮮明に思い出せるよ。
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