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その女の子には猫の耳があったのだ。
俺はパタパタと揺れるミミを見て、あれは偽物じゃないと確信する。
「にゃにをするんですか。触らないでにゃー」
分かっていてもついつい猫耳を掴んでいた。
「ほ、本物だ…」
「当たり前だにゃー」
うー、と怒っている姿は正直にめちゃめちゃ可愛い。
その子に見惚れているとソフィが教員室から出てきた。
「先生、こんにちわー」
と、ソフィがその子に挨拶をする。
「えっ、誰が先生?」
俺は思わず聞き返した。
ソフィはその子のことを指をさす。
いや、まだ俺は信じない。
そういえばバッジで学年が決まるんだったよな。
「バッジを見せてくれ」
どうぞだにゃ、とバッジを渡された。
そのバッジは紫色をしている。どうやら本当に先生らしいな。
それにしてもまじで先生なのか…
「さっきから言ってるにゃー」
心の声が思わず外に漏れていたらしい。
バッジを返すとソフィから許可証が渡された。
「それでは、私たちの教室を案内しますね。先生も良かったら学校案内手伝って貰えますか?」
「もちろんだにゃー」
入学したら金が手に入るにゃーと小さな声で言ってるような気がしたが気のせいだろう。
「ここが私たちの教室です」
と案内されたのは小さな武道館みたいなところであった。
どうやらステージの上で授業するらしく魔法を使うのである程度広くないといけないらしい。
「ここで魔法の授業をするのか?」
「だいたいはそうだにゃー。でも、生徒達がやるところは違うにゃー」
魔法は必ず成功することはなく、失敗すると周りに被害を及ぼすので訓練場と呼ばれているところで魔法を行うのだという。
「ところで、魔法って俺でも出来るのか?」
「当たり前だにゃー。というか、誰でも使えるにゃ」
先生によると魔法は誰でも使うことが出来るのだが、自分にあった系統のものしか使えないのだという。
魔法は基本的に火、水、土、風の4系統に分かれていて、これらは初歩的なものならば4系統とも誰でもできるらしい。
俺も使えるのか、と思うと何だか興奮してきた。
「その顔は魔法を使いたがってる顔だにゃー。せっかくなら訓練場に行ってみるかにゃ?」
バッチリ心を読まれていた。
「いいんですか先生、まだ何も知らないんですよ」
「ソフィは硬いにゃー。先生もいるから大丈夫にゃ」
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