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「わかりました」
ソフィは先生のサポートについた。
どこから出したのかは分からないが先生は小さな笛を取り出してそれを吹いた。
すると突然、世界に亀裂が入り、そして中から男の人が現れた。
「やっと出てこれましたねえ」
その男はにやっと不気味に笑っている。
「なぜにゃ……なぜグラビティ・ワールドが出現したんだにゃ」
先生は相当焦っているようだった。
その様子を見るに出てきてはいけないものが出てきたということだけは分かった。
ふとソフィの方を見ると、鬼のような形相をしていた。
「母をよくも……よくもおおおお」
フレイムプリズン、という声が響き渡りやがて炎の柱が地面から現れ、男を焼き尽くす。
しかし、男が剣を取り出し何かを唱え、地面に突き刺すとすぐに魔法は消えてしまった。
「こんなちっぽけな魔法で勝てると思っているのか」
男はソフィを殺そうと魔法を唱える。
「ズグレトラメント」
男が唱え、手を振り上げるとソフィに向かって黒い光線が放たれる。
「大丈夫だにゃー。生徒を目の前で殺される真似はしないにゃ」
と先生がソフィの前に立ち塞がった。
「フォトスフェーラ」
先生の前に光の盾のようなものが現れ黒い光線を防いだ。
「邪魔だ、消え失せろ」
男は間髪入れずにフォルトゥナーレと唱えた。
先生はものすごい勢いの風をうけたのか、吹き飛ばされて壁に叩きつけられた。
男は剣を抜きソフィを殺しにかかった。
「助けて……リューマさん……」
ソフィの口がパクパク動き、俺に助けを求めているように感じた。
そして、俺は勝手に動いていた。
「やめろおおおぉぉ」
先生の置いていった剣を拾い男に突っ込む。
あれ、なぜか剣が手に馴染む……
そうか、分かった。
男は依然として笑っている。
「この娘を殺すのとお前が俺を殺すのどっちが早いか考えてみろ」
俺と男の距離は20メートルは離れている。
男が余裕を見せているのも当然だ。
だが、俺は剣を突き出し唱えた。
「グラビテイト」
唱えたと同時に男が俺の剣に吸い寄せられる。
「何だと……」
男はじたばたするがその抵抗虚しく剣に引き寄せられる。
そして、剣を持っていない方の手で俺のだせる渾身の力で殴り飛ばした。
吹っ飛ばされた男は気を失いその場から動かなくなった。
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