出会い

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「大丈夫か?」 俺はソフィに駆け寄った。 まだ体が震えている。よほど恐かったのだろう。 「リューマさん…、うわぁああん」 と、俺に抱きついてきた。 ふいにソフィの甘い香りと体温が龍馬の心をおかしくした。 ちょっと待ってくれ、ここでこんなことされると困るっ。でも、まだ震えているし抱きしめたいし、わけわからん。 自分の欲望に負けてソフィを抱きしめようとしたところで 「良い雰囲気の中大変申し訳ないんだがにゃー」 先生が現れ、二人はすぐに距離をとった。 「リューマは何故あの魔法が使えたのか教えてくれにゃ」 俺は剣を手にしたとき、ゲームの中であることを思い出した。 ゲームは引き継ぎが出来るつまり前作の技を受け継いでいる。 前作で龍馬は〈闇剣士〉だったのだ。 そのおかげで魔法を使えることが出来たのである。 ということなのだが詳しいことを話すわけにもいかずとりあえず、俺は闇剣士だと言っておいた。 「闇剣士かにゃー。だから闇魔法が使えたのにゃー」 うんうんと納得した先生はいつもの笑顔を取り戻していた。 「ところでグラビティ・ワールドって何なんだ?」 と言った途端に二人の表情は固くなった。 「あそこは最悪の地です」とソフィが言う。 「うーん、仕方にゃい。教えてあげるにゃー」 世界は一つではなく、植物や動物様々な生きているもの、建物や車などたくさんの物が各世界にはある。すなわち世界には質量が存在する。質量が存在すると重力場は歪む。その歪みと歪みが重なり合い、何もない空間と酷似するとき世界のどこかに第三の世界の扉が開く。 その第三の世界は未知であり、それゆえ恐怖となりうる存在である。 その第三の世界、それが「グラビティ・ワールド」なのである。
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