冒険の行方

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「やっと新作が買えた」          リューマ そう呟いたのは寺田龍馬である。 俺は今日発売されたゲーム「ゼロ-エミッションⅡ」を買って帰宅したばかりだ。 このゲームを買うために先月からお金を貯めているくらいだ。 俺は、早速自分の部屋に行って、「ゼロ-エミッションⅡ」をやることにした。 テレビを付けて、ゲーム機の本体の電源を入れる。 そしてゲームデータの入った小さなSDカードのようなものを差し込む すると、テレビの画面に「ゼロ-エミッション」のタイトル画面が現れた。 メモリーカードを読み込んでいますという表示が出て、前作の引き継ぎをしますかと出たので、はいの方を押した。 引き継ぎ中です。電源を切らないでくださいと、RPGのキャラクターがお辞儀をしている。 俺は引き継ぎ機能があるこのゲームを買ってやはり良かったと思った。 このゲームはRPGであるのだが通常のRPGとは違い、ゲームデータの引き継ぎが可能になっている。 つまり、前作の「ゼロ-エミッション」をやり込んだ人ほど楽しみは増大するのである。 ゲームの引き継ぎを完了して、「はじめから」を押してゲームを開始した。 そして、オープニングムービーが流れ始めた。すると突然、テレビが異様な光を出し始めた。 俺はその異変に気づいた。 しかし、どんどん目の前が真っ白になり、テレビから放たれる光はさらに強くなる。 何も考えられない… 必死に俺はその場から逃げようとしたが、光のせいで脳が麻痺しているのか分からないが、全く体が動かなくなり、さらに意識が飛びそうになる。 そして、部屋が一瞬雷のように光った。そこで俺は意識を失った。 その部屋は元に戻りテレビも正常に動いている。 しかし、その部屋には誰も居なくなっていた。
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