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「今、年はいくつ?」
俺は何よりも気になったことを聞いていた。
「16歳です。リューマさんはおいくつですか?」
17だよ、と答えると
「それじゃ、先輩になりますね。リューマ先輩か…なんだかカッコイイですね」
名前負けしそうなので俺は恐かった。
しばらく話しているとソフィと打ち解けることができた。
「あの…さ、ソフィは魔法を使えるのか?」
「当たり前です。このバッジを見ればわかるでしょう」
これが凄いんですと言わんばかりに黄色のバッジを見せてくれた。
「すまんな、よくわからない。」
その言葉を聞き、ソフィはガクッと肩を落とした。
「このバッジは魔法学園都市の誇る魔法学校から学年別に貰えるものです」
「ま、魔法学園都市…」
驚いている様子を見て、ソフィは俺が何も知らないということが分かったらしく、いろいろと説明してくれた。
ソフィが俺に語ってくれた内容はこうだった。
ここは魔法学園都市であり、町の中心にある大きな建物が学舎であること。
魔法学校の学年はバッジの色で決まっており赤、黄、青の順に学年が上がっていくこと。
そして卒業試験に合格したら一人前の魔法使いになり、紫色のバッジを貰えるということだった。
「ってことは、ソフィは一人前の魔法使いになりたいから魔法学校に入ったの?」
「はい。一人前の魔法使いになってある場所へ行きたいのです」
ある場所って?と俺は尋ねたが、ソフィは教えてくれなかった。
「リューマさんはどうしてあんなところに居たんですか」
ソフィが今度はこちらが尋ねる番です、と付け加えた。
俺はどう答えれば良いのか困った。
正直に話しても信じて貰えるはずもない。
かと言って嘘も上手につける自信がない。
「俺は異世界から落ちてきて、気がついたらあそこにいたんだ」
真面目な雰囲気でゲームの存在を除いて全てを正直に話した。
が、ソフィは冗談に聞こえたらしく、真面目な雰囲気の分だけ面白いらしく必死に笑いをこらえていた。
「リューマさんの冗談ってわかりやすすぎです」
「冗談じゃないんだ。本当に気がついたらあそこに立っていたんだ」
必死に弁解するがその言葉がソフィのツボに入ったらしく堪えていた笑い声が次第に漏れ始め、ついには涙が流れるほど笑われた。
俺は本当のことを話しても信じてくれないという現実は想像以上に辛いということを知った。
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