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「すいませんでした。あまりにも面白かったもので」
俺は悲しくなった。
この話題を変えないといつか泣いてしまうような気がする。とりあえず、俺は話題を変えようと思った。
「ところで、魔法学校って何をやるところなんだ?」
「普通に魔法のことを習う学校です。時間があるなら学校に行きますか?」
俺は予想外の展開に驚いたが興味はめちゃめちゃあったので、ものすごい早さでもちろんだ、と即答した。
「ここが魔法学校の入口です」
ソフィに案内されてやってきたのは10メートル以上はある石の壁である。
「どこが入口なんだ?」
「ここですよ。ちょっと待って下さいね」
と言い石の壁に手を置いた。
アンロック、とかすかに聞こえた気がした。
パキンと金属音が一面に鳴り響く。
「うそだろ……」
目の前の光景を見て驚きを隠せなかった。
石の壁が一瞬にしてなくなり、代わりに城のような建物が現れたからである。
「では、中に入りましょう」
と何事にもなかったかのようにソフィは学校に入っていく。
俺は遅れないようにソフィの後をついていった。
「どこに向かってるんだ?」
「教員室ですよ。先生に許可証を貰いに行くのです」
あの角を曲がってすぐの部屋が教員室なんですよ、と説明してくれる。
俺たちはその角を曲がり教員室に着いた。
「ちょっと待っててね。すぐに終わるから」
とソフィは言い、教員室に入っていく。
俺は一人廊下に残された。
こんな城みたいな学校はすげえな。
友達に魔法学校に入ったと言ったらどんな顔するんだろうなと嬉しくなったが、友達にはもう会えないんじゃないか、両親にも会えないのだろうかとネガティブな考えが頭の中をかけめぐり悲しみの方が強くなった。
「ここで何してるにゃ?」
「ここで友達を待って………!?」
声を掛けてきた小柄な女の子を見て声が出なくなった。
まじか……
こんな人が存在するなんて…
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