協議会

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城は断崖絶壁の丘の上に立っている。 北側になる崖は下を覗き見るだけで肝を冷やしそうな光景だが、入り口がある南側はのどかな緑が広がっている。 街からは2キロ弱離れており、その間は隠れるものが何もないようにと車が通ってハゲた道があるだけで、遮蔽物など何もない。 実に守りやすい地形だが、それゆえ慢心に繋がると逆に攻めやすくもある。 しかしこの城は何より、海に面しているのが面白い。 街は自由放任にピッタリの出店式だった。地震がほとんど起きないこの土地特有の赤レンガ造りの家が建ち並び、それぞれがテントの屋根を伸ばして商売をしている。 「ここは市だ。城のすぐそばだがな」 「なるほど、活気があるじゃないか」 レイスとポニー・トンは肩を並べて歩いている。道は十分に広いが人が多いので、何度もぶつかりそうになった。
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