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石造りの道に嫌な音とともに頭を打ちつけ、それっきり男はのびてしまった。
交わる拍子にスッた少しゴツめ男の財布を、レイスは中味を見ることなく支配人に投げ渡す。
「迷惑をかけたな」
大柄な男が横になると、見ていただけの人達が何事もなかったかのように市の物色を始めていた。
ここの人間は逞しい限りである。
人の波が収まったので立ち去ろうとすると、ついと袖を引っ張られた。
そこで寝ている男が掴んでいた女の子である。
「なんだ?」
「お兄さん」
俯いたままの女の子ではなく、支配人からレイスを呼ぶ。
先ほど迷惑料として渡した財布を投げ返され、受け取ってみると少しだけ薄くなっていた。
「お釣りだよ。まいど」
‥‥釣りだと?
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