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さすがに城は珍しいらしく、キョロキョロと城内の廊下を見ている。
きちんとした格好の給仕をみかけると、ミハエルはレイスの後ろに身を隠す。まだ、少々知っているレイスの方がマシらしい。
「あの、ご主人様はお城の方なんですか‥‥?」
じゃなければ城に入れまい。レイスは振り向きもせずに答える。
「食客だ。多少だが、無理がきく立場のな」
「そう、なのですか」
とうに神崎龍だと名乗っている。呼び方は好きにさせた。
「ここだ。分かりやすいだろう」
最上階の、西端。同じフロアに部屋はあまりない。
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