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部屋を出たレイスが向かっている場所はひとつ。ユートピアの部屋である。
朝会った時に来いと言われていたことを珍しく覚えていたのだ。
しかし今、レイスの頭の中にあるのはミハエルのことである。
実はレイスは、ミハエルのことを知っていた。
2年前の夏、レイスがノーブルの南部12家族を訪問していた時のこと。最後に第12位であるクロケットを訪問した。そこで、見たのだ。
孤児だったのを、その当時の当主が引き取ったのだそう。
その時呼ばれていた名前がミハエルだ。
しかし、その当主は既にない。
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