【紅い瞳と赤い記憶】

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   ● ● ● ● ● 「パパー!」  とてとてと、大好きな父の元に走っていく。  一緒に歩いていた人に犯人らしき男を任せ、俺に歩み寄り抱き上げてくれる。 「なんだ来たのか勝~。お、哀歌(あいか)も一緒か」  とりとめのない話をする。そんな時間でさえ、俺は『しあわせ』だと思った。  しばらくすると「うわぁっ!!」という叫び声が聞こえてきた。  男の人が腕を切られ、手錠の鎖は虚しく床に転がり、その犯人の手には隠しナイフが握られている。  そこからは、すべてがスローモーションに見えた。
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