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……ドンッ
驚いて窓を見た。
あいつだ。
つんつるてん。
あいつが外にいる。
窓越しに穴のあいた目でおれをじっと見つめている。
すると、
ドンッ……ズルズルズル
窓に向かって、あいつは犬を投げつけてきた。
犬はミニチュアダックスフンドだろうか、とにかく小型犬だ。
あいつは投げつけた犬の手づなをたぐり寄せ、犬を手元に運んだ。
するとまた、ドンッ……ズルズルズル
ドンッ……ズルズルズル
ドンッ……ズルズルズル
また投げつける。
手づなをたぐり寄せ、また投げつける。
その繰り返し。
こいつは一体何がしたいんだ!?
なぜおれだけ狙ってくる?
ドンッ……ズルズルズル
ドンッ……ズルズルズル
ドンッ……ズルズルズル
窓はだんだんと犬の返り血で赤くなっていった。
あいつは人間だろうか?
なにがしたいんだ?
しばらくして警備員が駆けつけてきた。
あいつはもういなくなっていた……。
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