ラピヨン

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ドアを開くと、黒と赤の色が目の前に広がった。 ぐちゃぐちゃ。 息をのむカズエ。 俺は別に動揺しなかった。何となく、感づいていたからだ。 血が、肉片が。 ビルの壁に床に天井に。 色んなものが散らかっていた。書類、電話機、椅子、パソコンのコード、包帯、コンビニのおにぎり、ボールペン、薬莢、銃、家族の写真、漫画雑誌、本、眼球、新聞、洗剤、生理用ナプキン、プリクラの貼られた手帳、爪、ポイントカード類、ペットボトル、頭髪つき肉片、ハンガー、耳、腕時計(腕つき)、エトセトラ。 俺は (人間一人ぶんの血で、どれくらいの面積、壁を塗れるのだろう) と考えていた。 (意外とたくさん塗れるのだろう)
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