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俺はカズエの手を振りほどいた。
ナツキに駆け寄る。
声が出ない。
ナツキの肩を叩く。顔に触る。血が手にべっとりとついた。
涙が溢れて前が見えない。声も出ない。頭がおかしくなりそうだ。気が、気が狂う！
ナツキ！ナツキ！ナツキ！死んでないよな？違うよな？君が死ぬなんて、まだまだ先の話のはずだろ？将来バレリーナになるんだろ？言ってたじゃないか？プリンシパルの吉田さんが憧れだって！ナツキ！ナツキｨｨｨｨｨ
俺は血塗れの手で自分の顔をひっかいた。俺の顔も血塗れになった。何をしていいかわからない。壊れる！壊れろ！こんな世界、終われ！全員死ね！あああああああああああああｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ
ナツキの右手があがった。俺の手を、握った。
「ヒロキ」
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