ラピヨン

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足下のアクセルを踏み続ける。リカオンが後ろの壁にめり込んでいく。 ギチュッ ボキ。メキ。バキバキ… 柔らかいモノの中にある何か固いモノを、砕くような音が響いた。 アクセルと思って踏んだのはバック用のトリガーだったようだ。となると前進はこれか。 ギシャッ 思った通り。 リカオンは俺の意思に従って動き出した。 そういえばさっきまでいたカズエの姿がない。さっきまで聞こえていたカズエの声が聞こえない。 (まあいいや) 「ナツキ、行こうか」 「…」 ナツキは白い顔で、少し笑ったように見えた。
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