10581人が本棚に入れています
本棚に追加
足下のアクセルを踏み続ける。リカオンが後ろの壁にめり込んでいく。
ギチュッ
ボキ。メキ。バキバキ…
柔らかいモノの中にある何か固いモノを、砕くような音が響いた。
アクセルと思って踏んだのはバック用のトリガーだったようだ。となると前進はこれか。
ギシャッ
思った通り。
リカオンは俺の意思に従って動き出した。
そういえばさっきまでいたカズエの姿がない。さっきまで聞こえていたカズエの声が聞こえない。
(まあいいや)
「ナツキ、行こうか」
「…」
ナツキは白い顔で、少し笑ったように見えた。
最初のコメントを投稿しよう!