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「トモアキ!」
教室を出た僕は、自分を呼ぶ声にゆっくり反応した。
すべての授業が終わり、部活に行く人や帰宅する人が混ざる人の間に僕に視線を向ける女の子。
(え??)
戸惑いが広がり、身体を硬直させた。
ゆっくりと僕の方に歩み寄った彼女は、以前と変わりない声で言った。
「一緒に帰らん?」
「うん……。」
つぶやくように彼女に言うと、僕らは並んで歩きはじめた。
「どう?新しいクラスには慣れた?」
「まぁ…ね。」
そう、ぶっきらぼうに彼女に答えた。
「そっちは?6組っけ?」
「そう。」
「慣れた?」
「う~ん…。知った顔ばっかりやっけんね~。」
「慣れたというか…。」
「ハハッ…。」
僕は彼女の含みのある言い方で思い出し、乾いた笑いを返した。
階段を降り、別々の靴箱で靴を履き変えた。
新しく校舎も移動し、玄関や靴箱も3年用を使い始めたのは4月、でもようやく慣れたのはここ最近だった。
まだ成長期の最中なのか、身長は伸びないくせに足ばかり大きくなり、合わなくなった小さめの靴の踵を潰して履いていた。
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