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ポツンッと一人取り残された僕は、二人が橋を降りるまでボーッとやり取りを眺めていた。
再び歩き出し、橋を降りて左手に曲がり、川沿いの農道に入った。
一人のろのろと歩いてる僕の前では、まだ二人がふざけながら歩いている。
視線を左に向け、何も考えずに川の流れを目で追った。
「そう!ここ、ここ!」
突然、さっきまでじゃれあっていた彼女が興奮気味に声を上げた。
「誰が作ったか知らんけど…。小学生かな?前に雪だるまのあったっさね~!」
「へぇ~。」
一瀬は素直に驚いていた。
(驚く事でもなかやろ………。)
僕は二人の幼稚なやり取りを呆れながら見ていた。
「トモアキは?知っとる?」
歩みを止めていた二人にだいぶ近づいていた僕に聞いてきた。
「知らんし!……いつ?」
ついつい僕も聞いてしまった。
「いつやったっけ?2月の雪の降った日やっけんが……いつっけ?」
彼女は一瀬に聞いた。
「……。13日…?」
しばらく考え込んでいた一瀬は確信なく言った。
「そうそう!14日!!」
(「そうそう!」って、13日じゃなかとかよ…。)
彼女の言葉に心の中で呆れていた。
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