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「じゃあ、また明日ね。」
「あ!ミユキちゃんは、そっちやったね。バイバイ。。。」
「うん。バイバイ。。。」
ナツキちゃんと一瀬が手を振りあった。
僕は無言でそのやり取りを見ていた。
すると、手を振り終えた一瀬が僕の方に視線を向ける。
(あっ……。)
どうして良いか分からず、僕は俯いてしまった。
………。
数秒経ち、もういいだろうと顔を上げた。
ドクンッ………。
一瀬はまだこっちを見ていた。
そして、視線を外さないままコクンッと頷くように頭を下げた。
(あっ!あぁ……。)
多分、挙動不審になっていたと思う。
僕は慌てて彼女の視線から逃げるように頭を下げた。
俯いたままどうして良いか分からず、僕は自然とナツキちゃんの方を向いていた。
(ん?!!)
ナツキちゃんはそんな僕を見て、声をこらえ笑っていた。
(なん?!!)
不快感いっぱいで僕はナツキちゃんに目で言った。
(べつにぃー。)
彼女は目で僕に返すと、知らん顔して顔を背けた。
「じゃあねー。」
「うん。」
ナツキちゃんが手を振る。視線を地面に戻していた僕は二人の声だけを聞き、一瀬が去る気配を肌に感じた。
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