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僕はナツキちゃんに呼び出されたあの時、ただ自分だけを守ろうとしていた。
(ユキナはそんな奴じゃなか!)と、信じたい一方で、あんな場面を見せつけられた自分が不甲斐なくて情けなくて……
自分がユキナを嫌いになることで、弱い自分を守ろうとしていただけだった。
周りを傷つけても良いから、ひたすら自分を守ることだけを考えていた……
ナツキちゃんは自分が大切に思ってる友達を傷つけられ。僕の本心を知られたくて言った、内容が無い理由を聞いても、それでも僕ら二人の事を考えてくれていた。
僕に言った言葉はユキナの為でもあったし、僕の為でもあったと思う。
それがわかっていたから、逃げることしか考えていなかった僕はそれ以上何も言うことが出来ずにいた。
「聞いたっさね……」
「ユキナの事…」
「うん。」
(誰から?)
僕はあえて聞かなかった。
「私達、ユキナとかと学校違ったたい?」
「青葉では有名かったらしかね……」
???
どういう意味で言ってるのかわからなかった。
………。
……………。
懸命にあれこれと考えたが、それでも僕は分からずにいた。
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